非正規雇用の中でもアルバイトには厳密な定義はなく、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律である、パートタイム労働法の中では「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者よりも短い労働者」と定義されていますが、労働力調査(総務省)では、「勤め先での呼称がパート・アルバイトである者」となっていたりします。また、企業の現場では、パートとアルバイトを厳密に区別していない場合があります。一般的には、正社員と比べ労働時間が短く、時間あたりの賃金が安いのが特徴で、労働基準法の適用範囲内ですが、現状では多くの面において適用されているとは言い難いと考えられます。また、福利厚生などの対象にもならないことが多く、正職員に比べると不利な面が目立ちます。アルバイトの構成は、学生、主婦が多いことから、男性よりも女性が多くなっています。また、年齢構成では15〜24歳といった若い世代よりも、30、40歳といった中年世代の方が多いようです。
アルバイトという言葉は、ドイツ語で「労働」を意味する名詞のArbeitに由来しており、日本では、明治時代に学生の間で使われていた隠語が、一般に広まりって現在に至っています。他の国ではこのような単語は使われておらず、英語ではパート・タイム・ジョブ (part-time job) やサイド・ジョブ (side job) などと言います。また、本家のドイツ語でも「Arbeit」といえば労働全般を指しすので、日本語でいうアルバイトの事は英語からの外来語でジョブ(Job)といいます。また、終身雇用は日本特有の制度なので、日本以外では通常の労働とアルバイトを区別する事はあまり無いというグローバルな背景もあります。
アルバイトの特徴として、契約面では、正社員が書面によって雇用契約を交わすのに対して、アルバイトは口頭だけ口約束の場合がある。給与は、時間給や日当で支払われる事がほとんど。構成は、24歳以下の若年者が多いのだが、高齢者も少なくない。アルバイト全体に占める比率は、24歳以下が51%で、うち学生は29%、また、50歳以上は17.2%である。勤務時間は、年間の就業日数が増えるほど、勤務時間も増える傾向にありますが、正社員よりは少なく設定されている。年間就業日数が200日未満では、アルバイトは勤務時間が週30時間未満が76%、年間就業日数が250日以上では、アルバイトは勤務時間が週43時間以上が48%。正社員と同じ仕事を行っても、社会からは所詮アルバイトという差別を受ける事が多い。などが挙げられます。日本ではバブル崩壊後の景気の悪化によって、企業は正社員の雇用を抑制し始め、就職氷河期と呼ばれる就職難な状況となりました。このバブル崩壊によって正社員の代替としてのアルバイト等の採用が増え、若年退職者の増加などもあって、学業期間が終わってもアルバイトをする人間が増加していきました。
また、最近ではアルバイトの求人方法も変わってきており、例えばウェブの普及とともに、求人サイトとよばれる、アルバイトの求人募集を網羅したサイトがポピュラーになっています。それにくわえて、かつては有料だった求人雑誌もフリーペーパー化され、求人情報の入手経路は多岐かつ無料化が進んでいます。有料求人誌や、店頭での直接応募などがポピュラーであった時代は終わりをつげ、インターネットの普及と同じく 、求人情報へのコスト意識・若年層のアルバイトの探し方はこのように変化しつつあるのです。
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Last update:2023/4/19